【完】想うのはこれから先も君ひとり
「杏莉ちゃん大丈夫?」


トレーに乗せた食事をテーブルに置きながら聞いてきた


あたしは言葉にならなくて未鈴さんに抱きついた


「怖かったよね…ごめんね」


謝りながらあたしの頭を撫でてくれた


未鈴さんは本当に温かい


“本当のお母さんってこんなに温かいのかな?”と思う


母親の居ないあたしには分からない


でも、お父さんとはまた違う温もり


「優斗…。言ったわよね?“海斗には気を付けなさい”って…」


「言った。だけど、こんなに早いとは思わなかったんだよ」


未鈴さんと優斗が話してる内容が分からない


「まぁ、良いわ。杏莉ちゃん、食べれるだけで良いから食べてね」


あたしの食欲の無さに気付いたのか“食べれるだけで良い”と言ってくれたんだ


なんか気を遣わせちゃって申し訳ないな…
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