【完】想うのはこれから先も君ひとり
それからはとんとん拍子で終わらせた


プリントを直しながら隣を見ると頻繁に欠伸をしている杏莉


「眠いのか?」


「一気に終わらせたら疲れちゃった」


ベッドの上に寝転がる


「優斗君は帰らなくて良いの?」


「俺が今、帰ったら杏莉は1人だぞ?」


「それは嫌だ…」


シュンとした杏莉を見て俺は咄嗟に抱きしめた


自分の行動に驚いたが杏莉が“少しでも安心してくれたら”なんて思う


「優斗君…わがまま言って良い?」


俺は首を傾げた


「もう少しこのままが良い」


杏莉は強く抱き着いて来た


コイツはコイツなりに寂しいんだな…


だけど、一生懸命堪えてる


そんな杏莉を俺は放っておけないと思った


優雅が言ってたな…“愛花のこと放っておけない”って…


俺は今、まさしく同じ気持ちだ
< 65 / 686 >

この作品をシェア

pagetop