【完】想うのはこれから先も君ひとり
「だから、落ち着くまで傍に居るんだけどね。今日の杏莉は安心してるみたい」


「そんなに泣いてたりするんですか?」


「えぇ。杏莉は泣き虫でね…1人になると必ず泣いてるらしいの」


……やっぱり何かあるな


「優斗が居てくれるって分かってるから安心してるのかもね」


「瑠夏さん…俺なんかが傍に居て良いんでしょうか?好きでもないのに」


他にも居るはずなのに…


「杏莉が心を許した男の子は優斗が初めてのはずよ」


瑠夏さんは杏莉の頭を撫でる


「あたしがね…杏莉を此処に連れて来たのはね、杏莉が前に居た施設で馴染めてなかったからなの」


……えっ?


「ずっと泣いてたのよ。だから気分転換にと思って連れて来た。杏莉が前に居た施設は人数が多かったから」


そういえば、此処は少人数の施設だったな
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