【完】想うのはこれから先も君ひとり
「まだ来たばっかりだから馴染めてないけど、杏莉なら大丈夫だと思う」


「なんでそんなに断言出来るんですか?」


「あたしと同じだから…」


……えっ?


「あたしと同じで“素の自分”を隠してるから」


瑠夏さんと同じって…


「あたしも、丈瑠や捺稀に出会うまでは笑うことすらしなかったんだ。まさしく今の愛花と一緒」


愛花も無理して笑ってるもんな


「だから、杏莉もそのうち馴染んで笑うようになるわよ」


……だと良いけど。


「優斗は帰らなくて大丈夫?」


「はい。大丈夫ですよ。どうせ家に居ても1人だし」


このまま何も言わずに帰るのも可哀相だしな


「じゃあ、今日は送って行くからギリギリまで一緒に居てあげて」


俺が小さく頷くと瑠夏さんはニコッと笑って出て行った
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