【完】想うのはこれから先も君ひとり
そして、濡れたタオルを新しいのに変える


「なんでそんなに優しいの?」


「俺が優しくしたのは愛花以外では杏莉が初めてだよ。前に言ったことなかったっけ?」


「でも……」


「ちゃんと看病しないと瑠夏さんと愛花に怒られるからな」


2人とも杏莉のことお気に入りみたいだし


「だからってキツかったら帰って良いんだよ?あたしの相手したって何にもならないんだから」


「帰って良いはずないだろ?俺が帰ったら杏莉は1人なんだぞ?」


「分かってる。だからといって人に頼ってしまったら離れていきそうで怖いんだもん」


俺の手を握る杏莉の力が更に強くなった気がした


「少なくとも俺は離れていかないな。そして愛花もね」


「何でそんなに断言出来るの?」


不思議な顔で俺を見る杏莉
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