だって好きなんだもんっ
第一章
野球少年に恋するあたし
暑い夏の空の下
ピッチャーがキャッチャーのサインに
首を振ったまもなく、頷いて
ボールを投げた
それもど真ん中に
その次の瞬間
カッキーーン!!
呆気なく打たれたボールは
あっという間に遠くを飛んでって…
やった!!
「ホームラン〜!!」
か、かっこい〜!!!
ホームランを打ったのに
それでもポーカーフェイスを崩さず
一塁、二塁と走っていく少年を
あたしは瞬きすら忘れて見ていた