マタアシタ、
第1章、約束
久しぶりに高校時代の卒業アルバムを本棚から引っ張り出した。
「懐かしいなあ…」
すぅ〜っとアルバムの中に吸い込まれるような感覚になった。
〜4年前の卒業式…今でもはっきりと私の中に残っている大事な日。
この日は美香と早めに教室で待ち合わせた。
「ねえ梨乃?」
「なに?」
「ネクタイ誰かにもらったりしたいの?」
「もらいたい人なんていないいないー!」
私の学校では好きな男子から卒業式にネクタイをもらうのが恒例だった。
「嘘つけー!真木のこと結構お気に入りじゃん」
「ちっ!違うよ…マキちゃんはただの…」
「だだの?」
「…ただの友達だってば」
「ふ〜ん♪先に言っとくけど、真木さあ、結構後輩に人気だよ?もしかしたら彼女できちゃうかもよ〜」
「え?」
「ほらやっぱり〜、素直になりなよっ!うちトイレ行ってくる」