さあ、俺と秘密をはじめよう
相手がどんなに許しをこいても了の場合は絶対に許さない。
どん底に突き落とすためならどんなに犠牲を払おうが構いやしないし、
相手を滅多打ちにこの世に帰ってこれないほど残忍で無慈悲になる恐ろしいやつだ。
こいつを止められるのは誰もいないだろう。
敵に回したくない相手トップ3に入るくらいだ。
とにかく、今了に近づいてはだめだ。無論、瞬夜先生にもだ。
俺の本能が語っている。
(星名怯えてるんだろうな…)
俺は星名に声をかける。
「星名、了はあんな感じだから今ほ…」
「どうして…」
言いかけた時星名は眉尻を下げ、俺たちにはっきりと問いかける。
「どうして、皆さんはそこまでするんですか?黒崎君はまだ出会ったばかりの私を助けようとするんですか?私にはそれが…分かりません」
俺たちはきょとんとする。
星名はどうしてそんなことを聞くのだろうか。
逆に俺たちがその質問に返したい。
「それは―――だって、ね?」
知砂は尚弥たちに顔を向け同意させる。
頷く尚弥たち。
「友達だから!って理由じゃダメか?」
小首を傾げながらきっぱりと俺は答えた。
「友達…」
「そういうこと!理由なんかねーよ。ダチがイジメられてるって言うのに黙ってみてらんねーし。そんなの友達じゃねーから」
俺の言葉にうんうんと頷く尚弥たち。