さあ、俺と秘密をはじめよう
「最近では料理出来る男ってモテるらしいぜ」
突然、八嶋さんが言い出し、それに反応する諸星さん。
「マジで!?じゃあ、俺も料理しようかな〜」
「それはやめておけ。余計な犠牲者を出さない為にも」
とすっぱりと言い放つ八嶋さん。
犠牲者って…。
苦笑いする、俺と文東さん。
八嶋さんに聞くと小声で諸星さんは無自覚の破壊兵器とまで言われるくらい料理がダメらしい。
死にたくないなあ…。
陟さんですら却下したほどだから絶対に諸星さんに料理をさせてはダメだ。
「あはは・・・。料理が出来ても必ずしもモテるってわけじゃないですから」
「陽・・・お前がそれを言うのか?モテるくせに・・・」
今にも泣きそうになる諸星さんはくぅ~と目じりに涙を溜め拳を握りしめた。
「え?誰が?」
「お前だよ!!」
「え?俺がですか?」
いつ?どこで?
モテてないぞ。
本当に自慢ではないが俺はモテない。
告白なんて一回もされたことがない。
中学の時ですら1回もないのに・・・
高校やバイト先では当然のことながら、されたことなんてない。
だからモテてるわけがない。
「あの・・・俺、モテてないんですけど・・・」
「「「嘘だ!!」」」
三人声を揃えて、即否定した。
しかも、文東さんまで・・・。
「ぜってー嘘だ。んなはずがない!あれか?アレなんだな!?」
アレって何ですか?
「落ち着けイタク!陽、それは俺たちのへの嫌みか?」