さあ、俺と秘密をはじめよう


彼女のそんな顔を見たくない。させたくないと強く思った。

きっとそれは今でもこれからでもそう思い続ける事になるだろうと感じた。


彼女が弱々しい声で告げる。

「もう…いいの。分かったから…。あなたの想いすごく伝わったから…ありがとう」

と微笑んだ。

その微笑んだ姿がすごく綺麗で可愛くて、抱きしめたくなった。

だけど、俺は自制して止まった。


(抱きしめちゃダメだろ…ってか、何考えてんだ俺!!しっかりとしろー。何なんだよ、これ!俺やっぱ病気なのか!?つーか変態!?いやいや、そんなことはないはず!)

尚弥ではあるまいし、俺はきっと可笑しくなってるんだ。

色々とありすぎて。きっとそうに違いないと自己完結した。


彼女の指先は俺の唇から離れ、辛そう苦々しくに言う。

「でも、ごめんなさい―――」

すごくショックを受けた。

「な、なんで!?」

俺はすぐさま問いただした。

「歌が……嫌いだから…」



え?



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