さあ、俺と秘密をはじめよう
「歌が……嫌いだから…」
本心で言った言葉じゃなかった。
だけど、私は星だとバレるわけにはいかなった。
(バレたら…私には…私には…――――ごめんなさい黒崎君)
彼の本心の言葉はとても嬉しかった。
だからこそ私は彼のために歌いたい。歌ってあげたいと思った。
だけど、それと同時にもし私が星だとバレる可能性が生じるだろう。
――――私は星であることをとった。
怖い…だけど嬉しい。
私の歌を好きだと言ってくれた黒崎君に。
怖さと嬉しさの葛藤が私にはあった。
黒崎君には申し訳なさで一杯だ。
泣きたくなる、だけど泣いちゃダメだ。
(我慢よ…)
今の私は苦渋の顔をしているだろう。
心にもないことを私は言ってしまったのだから。
その言葉に対して彼は厳しい顔をした。
「それは本心?」
私は黒崎君から目をそらした。
(ダメっ…今、顔を合わせたら…)
彼は私の肩をつかみ
「目をそらさないで!」
真剣な瞳で言う。