さあ、俺と秘密をはじめよう

出会いとフレンドと爽歌の秘密




「そう…私が星なの」


「え?」


はい、黒崎陽です。俺は彼女の言葉に今理解できておりません。




(これは何の急展開なんだ!?急展開すぎやしないか。というかドッキリ?)

どこかに隠しカメラが設置させてないか俺は辺りに目を回す。

見たところ隠しカメラはないようだ。


「あ、言っておくけどドッキリじゃないからね」

と彼女は俺の思考を読み取ったようだ。



じゃあ、何なんだろうか。

この展開は…。

どこのアニメやドラマ、漫画の世界なんだ!?

どこの主人公のシチュエーションなんだよ!!と思わず突っ込みたくなる。



かといって彼女…星名の目は嘘をついてないように見えるし、というか星名に限ってこういう冗談めいた嘘は言わないだろう。


「えっと…」

「だから、私が【星】です」

「マジ?」

「うん。本当」

「冗談とかではなく?」

「うん」

「ええええええーーー!!」

「しっー!声が大きい!」

星名は俺の口を左手で塞ぎ、もう片方の手で人差し指を自分の口に当てる。

(可愛い…って、あほか俺は!)

今は授業中だった。そのことを完全に忘れていた俺。

いくら、ここが屋上で俺と彼女しかいないとは言ってもあれだけの音量を出せば、サボっていることが見つかるだろう。

そして、

俺はようやくこれはドッキリではなく、本当に星名が歌手の【星】だと理解した。

星名がいい声をしているのも、歌がとても上手なのもそれらがすべてが【星】だとしたら、すべてに当てはまる。


(なんか納得…)


実際に星名は歌も上手ければ声もすごくいい。

それは本当に星名の天性の才能だろう。








< 80 / 221 >

この作品をシェア

pagetop