ゆびきり
授業が終わると同時に、私は部活に向かった。
夏にふさわしい、プールへだ。

私は魚になりたいと言うのはあながち間違いじゃない。
部活動は水泳。
クロール専門。


下校する生徒で賑やかな廊下を歩いて、私は昇降口に足を向かわせる。

昇降口から出て、校舎の裏側に回れば寂れたプールが現れる。
見る度に憂鬱になるプールは私を見つめながら、手招きをしているようだった。

やるだけやって、さっさと帰ろう。
私の頭には電話の事しかなかった。

吸い込まれるように、更衣室に向かう。
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