ゆびきり
更衣室には誰もいなかった。さすがは寂れた水泳部だ。

私は更衣室の扉を後ろ手に閉めて、荷物を捨てるように、無造作に置く。

服を脱いで、着替え始める。
適当にこなして適当に帰ろう、そんな事を考えていたら、閉めたはずのドアが開いた。


「あれ? 潤?」間延びした声がした。


同じ制服を着た、女子だ(更衣室だから女子にきまっているけれど)。
手には水泳用のバッグを持った、馴染みの顔だった。


「潤が部活来るなんて珍しいね」
「時々無性に泳ぎたくなるんだよ、何でだろね」


私は笑って現れた友達――梨花に言った。
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