私と彼と先生
「やっぱりあの女、くせ者だわ。」



購買の一番人気のメンチカツパンをほうばりながら陽菜が言った。



「陽菜もそう思う?なんか引っ掛かるんだよね。
あの子。」



私が悲しくても泣けないのはそのせいだ。




それに…。




昨日直樹さんの前でいっぱい泣いたからかもしれない。




直樹さん、今日学校にいるかな。



直樹さんにも話聞いてほしいよ。




「でもさ、川嶋先生と仲良しだなんてうらやまし〜!」



「ごめんね、いろいろ黙ってて…。」



「いいよぅ!全然気にしてないよ。
あっ、でもその代わりに今度バー連れてってね♪」



「うん、わかった…。」



こういう時ちゃっかりしてんなー陽菜って…。






それにしても全部話したらすごくすっきりした!



陽菜の買ってくれた甘い菓子パンをほうばった私は大の字に寝てみる。



勢いよく流れる雲がなんだか気持ちいい!



ふわふわ空に浮いてるような錯覚が感覚を麻痺させる。



はぁ〜…。



雲に乗って遠く飛んでけたらなぁ〜…。



気持ちいいだろうな〜…。
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