私と彼と先生

バー

｢待ち合わせですか？｣


カウンター越しに店員が話しかけてきた。



｢ん〜、まぁそんな感じです。来るかどうかはわからないんですけど…。｣


笑顔を作って返事をした。


気分が沈んでいても相手を気遣える余裕があるんだなぁなんて、笑顔を作った自分に少し安心した。



それからもその店員は用事で私の近くに来る度に話しをしてくれた。



たわいもない話だったけどなんだか落ち着いた。


薄暗い店内が個室みたいに空間をさえぎってくれて、リラックスできたせいかもしれない。






そのあとは………




あれ？



そのあとどうだったっけ…？


覚えてない。



店員と話したのを最後に記憶が途切れてる。




今の状況から察するに、寝ちゃった私はここまで担がれてきたみたいだ。