ファンファーレに想いを乗せて

高校2年のクラス発表の日


【加藤 大樹】
【久保田 あずさ】



何気なく見た掲示板に、私の名前の上に彼の名前があった。

見間違いじゃないかと、何度も何度も掲示板を見直した始業式の朝。


掲示板の名前が連なってあるだけで、何故か彼の温もりがすぐ傍にあるように感じて、頬まで熱をもった。




教室に入り、自分の席の周りで、中学の頃からの親友の絵里と『同じクラスだね』なんてはしゃぎながらも、彼が来るのを今か今かと待っている自分がいた。


彼は、いつ教室に入ってくるんだろう。

来たら、何と言って話しかけようか。上手く話しかけられるかな。


そんなことばかり考えてしまって、絵里との会話に集中なんてできてなかった。


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