ファンファーレに想いを乗せて
高校2年 冬
彼の彼女
あれから、彼、加藤とは以前のように話すこともないまま二学期を終えた。
世間は、クリスマスだと賑わっているのに、周りに合わせて無理して笑うものの、心の奥は、ぽっかりと穴が空いたまま、虚しくなる。
目を閉じれば、“あずさ”と呼んで笑いかけてくれる彼の姿を思い出してしまい、泣きそうになる。
振られてしまったけれど、彼を応援する気持ちだけは変わらずに持ち続けよう。
そう思えるようになったのは、あの日の桜井くんの言葉があったから。
そうして、彼への想いを、応援する気持ちだけだと言い聞かし、短い冬休みは、バイト三昧で終わりを告げようとしていた、冬休みの最終日、私は、思いがけない人と出会った。