ファンファーレに想いを乗せて
え?
何?


彼に触れたことで頭の中がパニックで、何か言わなきゃって思うこともできず、ただ、されるがままに握手をしてた。


そんな放心状態の私に気付くことなく、手を離した彼は、にかっと笑って体を前に向き直した。



そんな彼の背中を見つめながら、ようやく頭が動き出し、緊張と恥ずかしさで上手く話しができなかったことの後悔が押し寄せてきた。


先ほど握手をした手がじんじんと熱くて、彼の温もりが逃げないように手をぐうに握った。



彼の手の感触がいつまでも離れなかった2年の始まり。


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