ファンファーレに想いを乗せて
ふと、廊下に目を向けると彼は、いつからこっちを見ていたんだろう。視線が絡まった。
笑いかけてくれる姿は、どこにもない。
キラキラと輝いた笑顔を見せてくれることもなく、ただ、じっとこちらを見つめる彼の視線にどうしようもなくなり、俯いた。
もう、彼の隣にはいけないんだ。
もう、笑顔を見せてくれることもないんだ。
そう思うとじんわりと目頭が熱くなるのが分かり、誰にも見られないように、そおっと目から溢れてきた涙を拭った。