ファンファーレに想いを乗せて
「いいと思うよ」
そう隣から声がして、絵里を見ると、優しく笑ってくれていた。
「ありがと」
どうしようもなく、泣きそうになったのは、こんな私を肯定してくれた親友の愛を感じたから。
「私は、あずさを応援してるからさ」
そう言って笑ってくれた絵里に思わず抱きついた。
「ちょっ、そんな趣味ないんだけど」
「私だってないけど」
そう言いながらも互いに笑い合ったら、しんみりしていた空気が、ふんわりと柔らかいものに変わるから不思議だね。
「さて、と」
もう日直の仕事終わったから帰れるけど、どうする?
と聞いた絵里に、それじゃあ帰ろうか。と提案すれば、グラウンドに目をやり、見なくていいの?と聞いてきた。
「いいのっ!あっ、駅前のクレープ食べたいな」
今は、大好きな親友と一緒にいたい気分なの。
「よしっ!久々に食べに行こっか」
「うんっ!」
自然と笑顔が零れた。
こうやって笑ったのって、久しぶりだな、なんて思った。