ファンファーレに想いを乗せて
そうして、暖かな春の風と共に、私たちは三年生になった。
「あずさっ!また同じクラス〜」
「よろしく〜」
クラス発表の紙を見ながら、キャーキャーと絵里と挨拶を交わし、一緒に新しいクラスへと足を進める。
「てか、同じ選択教科選んでんだから、同じクラスになるのはほぼ間違いなかったんだけどね」
なんて絵里が言うから、
「そだね」
と笑い合った。
彼は……
彼の名前は、新しいクラスにはなかった。
何組になったか知りたい気持ちと知りたくない気持ちが入り交じり、結局、彼の名前を探すことはしなかった。
なんとなく、それでいいのだと自分で言い聞かし、新しい教室へ入ると、
「またよろしくな」
私の席の後ろの席には、桜井くんが座っていた。