ファンファーレに想いを乗せて
「なぁ、久保田さんっ」
「なっ、何?」
突然振り向く彼に、心臓が飛び出しそうなくらいびっくりしてしまった。
「英語の宿題してきた?」
そんな私の態度なんて気にしないで笑って話しかけてくれる彼に
「うん、してきたよ」
と平静を保ちながらも答えた。
「マジで!?見せて!」
「あ、うん。はい」
「さんきゅ」
助かった〜って言いながら、彼は、ノートを広げた私の机に向かい合う形で椅子に座り直すと、宿題を写し始めた。
「間違ってたらごめんね」
一応やってきたけれども、合ってるかどうか自信ない。特に、今、写してる問題は辞書で調べてもよく分かんなかったし。
「ん?いいって、いいって。間違ってたら売店のジュース奢ってもらうから」
さらさらと鉛筆を走らせながらそう言う彼に、思わず
「えっ?!何それ!」
つい突っ込んでしまっていた。