ファンファーレに想いを乗せて
「文化祭終わったら、入試が終わったら、卒業式までに……、なんてズルズルズルズル後回しにしてたって、一緒」


考えていたことが分かってるのか、ぴしゃりと言う桜井くんを恨めしく見ると、


「これが終わったら、あれが終わったら、ってやってみろ。段々段々勢いなんてなくなっていって、しまいには、もういっか。ってなってさ、最後に残るのは、後悔だけになるんだよ。分かった?」

「はい……」


彼の言葉が痛いほど胸に染みるのは、これまでの自分を言われている気がしたから。


決意をしても、時間が経つにつれて楽な方へ楽な方へ逃げてしまって、段々決意が薄れてしまっていたから。




だから、


私、久保田あずさは、夏の大会が終われば、彼、加藤にきちんと気持ちを伝えます。


それが、どんな結果であれ、ちゃんと伝えよう。



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