ファンファーレに想いを乗せて
「はい、これ」
昼休み、お弁当を広げていたら、目の前に、コトンと置かれたスポーツドリンク。
見上げた先には、置かれたものと同じものを手にしている彼の姿があった。
「え?」
何、これ?
「宿題のお礼」
そう言うから、午前中の会話を思い出した。
「え?あんな会話、冗談だと思ってたのに」
「うん。冗談だけど、ついで」
何のついでなのかよく分からなくて首を傾げたら、彼も真似をして首を傾げるから、可笑しくて笑ってしまった。
もう真似しないでよ。って笑ったら、そっちこそ。って言うから、可笑しくて笑いが止まらない。
彼は、そうやって周りの人を笑顔にさせる天才なのかもしれない。