ファンファーレに想いを乗せて
終わった……
彼らの夏が
短い夏が、今、幕を閉じた
泥まみれの彼は、三塁ベースで性も根も尽き果てたように項垂れて、ベンチからやって来た桜井くんに抱き抱えられるようにベンチ側へ帰って行った。
試合が終わり、応援席側へ一礼をしに来た彼は、俯いたまま。
今、どんな表情をしているかは見えないけれど、悔しくて涙こらえて歯をくいしばっているんだろうと想像できる。
君は、人前では涙を見せない人だから。
そんな君に伝えたい。
お疲れさま。
私は、あなたのその一生懸命な姿を忘れません。
と