ファンファーレに想いを乗せて


「私、ずっと加藤が好きだった」

「あず……さ?」

「ここで誰よりも練習している姿が好きだった。
誰よりも一生懸命な加藤が大好きだった。ううん。今も好き」



ようやく口に出せた想い。
ずっと言えずに悩んで迷って苦しんでいたこの二文字を、やっと口にすることができた。



これがずっと伝えたかったことなの。
ずっと、ずっと伝えたかった言葉は、簡単でシンプルな言葉だった。


「……」

「ありがとう」


黙って見つめる彼にお礼を言う。



ずっと、一生懸命なままの加藤でいてくれて、ありがとう。
好きになった頃と変わらず、一生懸命な姿を見せてくれてありがとう。

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