ファンファーレに想いを乗せて
あなたと…
夏休みは、毎日、朝から晩まで図書館に通って勉強ばかりしていた。
冷房がガンガン効いているこの場所での勉強は、静かで受験生にはもってこいの場所なんだろう。設置されている机の上には、私と同じように赤本を広げて勉強している人達の姿が目立つ。
そうして、あっと言う間にお盆を迎え、夏休みも残すところ後二週間となっていた。
いつも通っている図書館もお盆休みで、家で勉強をしていたけれど、一階のリビングにお茶を飲みに降りたら、父親がのんびりとコーヒーを飲んでいるから、一緒にテーブルにお茶を置いて椅子に座った。
ふと、彼がテレビの電源を入れると、『カキーンッ!』と金属バットの音と『ワァーッ!』という歓声とメガホンの音、ファンファーレが聞こえてきた。
甲子園
彼が目指していた舞台がブラウン管の向こうに見えた。