ファンファーレに想いを乗せて
「あ、これ、飲める?」
笑ってた彼が急に真顔になって、目の前のスポーツドリンクを指さして聞いてきた。
「え?」
「久保田、炭酸、飲めないだろ?だから、これにしたんだけど」
なんで?
なんでそんなこと知ってるの?
私、大きな声で話してたかな?聞こえてたのかな?
「やっぱ、違うのがよかった?」
なかなか返事をしない私を気にして、そう聞いてくる彼に
「あ、ううん!大丈夫。ありがと」
慌てて返事をした。
違うの。ただびっくりしただけなんだ。
なんで、私が炭酸飲めないって知ってるんだろうってびっくりしたの。
「よかった。それ、最近の俺のイチオシだし。じゃ」
そう言って、軽く手を挙げると、教室を出ていった。