ファンファーレに想いを乗せて

次の日、朝早く目が覚めたので、いつもより30分以上も早く学校に着いた。




“カキーンッ”
“カキーンッ”


校門をくぐると、グラウンドの方から、ボールが金属バットに当たる音が聞こえてきて、足は、校舎の方ではなく、自然とグラウンドに向かっていた。



そこには、いつも教室の窓から眺めている景色が目の前にあって、その中でも、人一倍大きな声を出して練習している彼の姿があった。



昨日スタンドからみた彼とは違う強い瞳が白球を追っていて、彼の姿から目が離せなかった。

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