ファンファーレに想いを乗せて

「だってさ」

私の言葉を繰り返すことなく、聞こえていただろうと言うように、青木くんは隣の女の子に、そう言った。


彼女は何故か、私をじっと見ていた。
まるで上から下まで何かを見定めるように。


そんな彼女の視線がなんとなく嫌で、用も済んだのなら絵里がいる場所に戻ろうとしたら、


「なんでそんなこと分かるんですか?」

と、彼女は強い口調で言ってきた。


< 48 / 224 >

この作品をシェア

pagetop