ﾌｧﾝﾌｧｰﾚに想いを乗せて

彼女の言葉に、彼だけでなくその場にいた青木くんと私も、彼女に視線を向けた。



「あ〜、この子、お前を探してたんだった」

青木くんが、すっかり忘れていたと言うように彼に伝えると、

「ん？何？」

って、彼女の方を向いた。


それだけのことなのに、胸がチクリと痛みを覚える。


そんな優しい眼差しで彼女を見ないでよ。そっけない態度で接してよ。


嫉妬で醜い塊が、私の中を支配する。


こんな感情になるのは、きっと彼女を、何処かでよく思ってないから。

彼女の彼だけを見ているその眼差しは、熱っぽくて、そんな彼女を見ていたら、この子はきっと、彼のことを……


そう思えて仕方ない。