ファンファーレに想いを乗せて
「取るとか、取られるとかじゃなくてさ、」


頭の中でぐちゃぐちゃ考えていても、上手く言葉が出てこなくて、止まってしまう。


私がどうこうできる問題じゃないんだ。

そう。
私は何も出来ない。


全ては、彼の気持ち次第。


彼が誰を好きで誰と付き合うかは、私じゃなくて彼の気持ちだから。



「余裕?」

絵里がふっと嘲笑うように聞いてきた。

「え?」

「そうやって、余裕ぶってたら、最後に泣くよ」

「だから、違うって」
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