ファンファーレに想いを乗せて
「今から帰り?」
「うん」
あなたの傍にいる彼女をどうしても意識していまうから。
だから、帰るの。
「珍しく一人なんだ」
「うん、絵里、先に帰ったし」
一人でグラウンドを眺める余裕が、今の自分にはないんだ。
本当だったら、最後のノックまで見ていたいんだけど。あなたの輝いてる姿を見ていたいけど、見ていたら、きっと嫉妬しちゃうから。
彼女にも、あなたにも。
そうして、嫉妬するだけで何も行動を起こせない自分が嫌になるから、だから、帰ろうと思うの。