ファンファーレに想いを乗せて
4月末のある日の放課後のこと。
「おっ!久保田、いいところに来たなぁ」
「え?はい?」
その日、日直だった私は、職員室に学級日誌を提出しに行った時、授業で使うプリントを大量に並べて綴じている先生に捕まってしまい手伝うはめになってしまった。
先生の雑用から解放されたのは、もう、夕日が西の方に傾いた頃で、教室の窓からオレンジ色の光が入ってきていた。
誰もいない、オレンジ色に照らされた教室で、何気なく覗いた窓の外。
グラウンドの真ん中で、大きな声を出し、白球を追いかけている一人の野球部の男子が目に留まった。