ファンファーレに想いを乗せて

ひゅぅっ!と勢いよく北風が拭いて、身をぶるっと震わせたと同時に、


「久保田先輩は、加藤先輩とすごく仲がいいですよね」

と、彼女が聞いてきた。


「え?あ、うん……そうかな?」


曖昧な返事しか出来ないのは、彼女が何を考えているか分からないから。

出来れば、早く昼休み終了を知らせる予鈴が鳴って、この場から立ち去りたい気分だった。



「私、加藤先輩と仲良くなりたいんですよ」


うん。それも見ていたら分かるよ。
その為に、野球部のマネージャーだって始めたんだしね。


それをわざわざなんで、今、ここで話すの?


「どうしたら、仲良くなれるんですか?」

「え?」

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