ファンファーレに想いを乗せて

「先輩……」

「ん?」

「私ね、知ってしまったんです」


彼女と寒空の下、屋上で話すのが日課になりつつある11月下旬


彼女の次の言葉に、聞かなければよかったと後悔した。



「加藤先輩の好きな人、隣町の青葉高の二年の子なんですって」

「え?」

「なんでも、中学が同じだったみたいで、ずっと好きだったらしいんですよ」


中学の時の同級生……


「え〜と、確か、小泉さんって子……」


目の前が暗くなった気がして、彼女の声も何も聞こえくなかった。




彼の好きな人

青葉高の小泉さん……



< 83 / 224 >

この作品をシェア

pagetop