ファンファーレに想いを乗せて
暫く考えて出した答えは、本当のことを知りたいって気持ちで、
「加藤は、北岡中出身だよ」
そう絵里に告げた。
絵里は、分かったと呟くと、「確か、さっちんが青葉高だったよね」と言いながら同じ中学出身で、今は、青葉高に行ってる友達の名前を出しながら、携帯を操作した。
「あっ!さっちん!久しぶり〜。元気してた?ん?うん、元気だよ〜」
絵里は、さっちんに電話をしたらしく、久しぶりなのか楽しそうに話始めていた。
「あのさ、ちょっと教えてほしいことがあるんだけど。あっ、あずさに代わるね!」
はい
と差し出された携帯を恐る恐る耳に近付けた。
「もしもし?」
「もしもし、あずさ?わ〜っ久しぶり!元気なの?」
「あ、うん」
電話口のさっちんは、久しぶりなのに、全然変わってない話し方に、少しだけほっとした。