ファンファーレに想いを乗せて

あの日から、何の部活にも入っていない私は、放課後、窓辺からグラウンドを眺めては、彼が頑張っている姿を見るのが、日課になった。


誰よりも一生懸命頑張っている彼の姿から目が離せなかった。



そんな彼が、私と同じ一年生だと知ったのは、それから随分経った7月のこと。



「お〜い、桜井!今日、部活休みだって〜」


そう、私のクラスの野球部の桜井くんに声をかけたのが、あの日から、いつも見ていた彼だった。



それから、彼のことを少しずつ知っていった。


二つ隣のクラスの加藤大樹くんってこと。
野球部の中では小柄だけど、実際は結構、背が高いこと。
笑うと目がなくなること。

など。


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