ファンファーレに想いを乗せて
頭の中から消えない小泉カオルと言う名前を無理やり消し去るように、一心不乱に予習復習をした。
でも、ふとした瞬間に彼女のことを考えてしまう。
まだ見ぬ彼女を想像してしまう。
彼が好きな彼女。
いったい、どんな子なんだろう。どれだけの魅力があるのだろう。
私なんかがどんなに頑張っても、到底かなう相手じゃない。足元にも及ばない。
いや、肩を並べることさえ出来ない相手なんだろう。
「はぁ」
もう、何十回という溜め息が洩れる。
「なんか、疲れた」
よく分からない独り言を言葉にし天井を見上げたら、何故か、つうっと目から涙が零れ、頬をつたった。