きみ、ふわり。


「やっぱり……
 処女は嫌ですか?
 気持ち悪いですか?」

 泣きながら、それでも俺に訴えかけるように必死で言葉を紡ぐ紗恵は、見ていて辛くなるほどに痛々しい。


 嫌とか、気持ち悪いとか、そういう負の感情が原因では決してない。
 俺の経験値不足の問題だ。

 けれど、どう伝えれば良いかわからない。


 困り果てて黙ったまま紗恵を見詰めていたら、

「私が処女じゃなかったら、抱いてくれますか?」

 意を決したように、紗恵が俺を真っ直ぐ見詰めて言う。


 驚いて、思わず頭だけ起こして枕から浮かせ、枕の中に沈んだままの紗恵を見下ろした。


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