きみ、ふわり。


 ある意味俺もスッキリした。
 胸の内にしまっておきたかった、不埒でやましい感情を自ら暴露して、それで紗恵の大切なものが守られるならそれでいいか、みたいな。

 不純で汚れたヒーローだ。
 笑える。


 さぞ幻滅したことだろう。
 もう、俺に処女を捧げる気なんか、跡形もなく消滅したに違いない。

 それでいいと、本気で思う。
 紗恵は、俺なんかが抱いていい子じゃなかった。

 ちょっと勿体なかったけど。


 その後は、そのままベッド端に二人並んで腰掛けたまま、他愛もない話をした。
 そうして、始業式が終わる頃、保健室を後にした。




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