きみ、ふわり。


 けれど、ほのかに沈んだ空気を変えようという試みは成功したみたいだ。

 紗恵はクスリと笑みをこぼして、俺の隣に腰掛けた。


 さて、どうやってセックスにもっていくかな、と。
 俺の本質的な、本能的な、極自然な欲望があれこれ忙しく思考を巡らす。



「さっきの人、鏑木先輩のお姉さんじゃないんですか?
 まさかお母さん?
 凄く若く見えましたけど」

 その質問に、俺の下半身が一気に盛り下がる。

 本当に天然だ。
 というかバカじゃないの? という疑問すらポッコリ生まれる。


「見えるんじゃねぇよ、若いよ? あの人。
 にじゅう……ご? ろく?
 まぁそんなもん」

 遠回しな情報提供じゃ何が何やらさっぱり把握できないらしく、彼女は訳が分からないといった顔で、ただポカンと俺を見詰め続ける。


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