君だけを愛している…
―悲劇―
――――――…
私は部屋で窓の外を眺めていた
魔界は日本のように四季がなく
普段は極端な温度になる事はないが
今日は肌寒く外は雪が降っていた
私はあの夢に出てきた男の子がどこかで実際に会った気がしてならなかった
「刺青…の亜人」
復讐すると言ったあの男の子…
「うーん……。」
思いだそうとしてもなかなか分からないので
城を散歩する事にした
―――――――
部屋を出てうろうろと
宛もなく歩いていると…
廊下に騎士逹が何人かで集まり規則正しく歩いて来るのがわかった
その騎士は私に気づき礼をしたのでつられて私も礼をした
しかし、その中の1人に目がいき立ち止まった
「…春奈様?
どうかなされましたか?」
先頭にいた騎士が私に訪ねた
「貴方…」
「安心してください
こいつは新人で亜人ですが腕はルイス様に認められていますから」
「……………。」
私は何か言おうとしてもなかなか言葉にできない………
顔に刺青が入った亜人だったのだ
「初めまして…
ロストと申します」
「……どうして……
この城に…………」
絞り出された声は僅かに震えている
「覚えていらっしゃいませんか?
馬上槍試合で…」