君だけを愛している…
春奈は大量の血を流し手が雪のように冷たくなっていた…
俺は春奈を抱き締め
剣で貫かれていた傷口に 手を当て
血の出血を止めた
そして、まだざわついて いる会場を後にし
城の最上階の部屋に運び 春奈をベッドに寝かせた
「春奈…―」
春奈は完全に傷を塞ぎ体に異常はないが
大量に血を流してしまった為、当分は目を醒まさないかもしれない…
「春奈…
お願いだから目を覚ましてくれよ
俺の涙を拭って、頭を撫でてくれよ…
春奈っ………」
春奈の手を握っているのに握り返してはこなかった…
俺は魔王である事を忘れ眠っている春奈の前で泣き続けた…
幼い頃よりも、もっと
身体中の水分を出しきるかのように泣き続けた