君だけを愛している…









私はベンチにもたれ
目を閉じた…









「――っ春奈様!!」




私の名を呼ばれ
声のする方に顔をむけた



そこに息を切らせこちらに向かって来ていた……



「春奈様……

さぁ戻りましょう。」




「―…シェリー」




「はい。」




どうして貴女はこんな私に必死になってくれるの……?




―私は辛くて





「ごめんなさい…」




「お気になさらないで
下さい…

私は大丈夫ですから!」



微笑みながらそう言ったシェリーはよほど走ったのだろう

顔には汗が流れていて
まとめていた髪も乱れていた









「「………………。」」



庭から部屋までの間
殆ど喋らなかった





シェリーは変わり果てた 主の事を見ても何も聞かなかった




それが彼女なりの
優しさで




―心が温かくなった…











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