君だけを愛している…
ーバタンッ
「―うっ………」
どうして…?
今まで1人だったのに
どうして涙が出るの?
親と顔を合わせるのだって滅多になかった
…なのに、私の心はいつも以上に虚しく、空っぽで酷く胸が痛かった
「………っ」
心のどこかで期待していたのかもしれない
私の事に気づいて
『今までごめんね…
これからは家族3人で幸せに暮らそう』
って、言ってくれる事を……
でも、叶わなかった
せめて誕生日やクリスマスは家族で祝いたかった…
「―…学校行かなきゃ」
私は涙を拭い、
辛い思いを隠すように
気持ちを入れ替え、制服に着替え鞄を持って玄関を出た…
『行って来ます』も
言わずに……