君だけを愛している…


ーバタンッ

「―うっ………」


どうして…?
今まで1人だったのに


どうして涙が出るの?




親と顔を合わせるのだって滅多になかった


…なのに、私の心はいつも以上に虚しく、空っぽで酷く胸が痛かった



「………っ」


心のどこかで期待していたのかもしれない



私の事に気づいて

『今までごめんね…
これからは家族3人で幸せに暮らそう』

って、言ってくれる事を……





でも、叶わなかった



せめて誕生日やクリスマスは家族で祝いたかった…




「―…学校行かなきゃ」


私は涙を拭い、

辛い思いを隠すように
気持ちを入れ替え、制服に着替え鞄を持って玄関を出た…







『行って来ます』も
言わずに……










< 7 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop