恋愛相談は校舎裏で
「何……あ、もしかしてコーヒーの方がよかった?」


「あ、いや…違います。私、オレンジ好きです」



慌ててオレンジジュースを口にすると、先輩はまたクスッと笑った。


…何を笑われた?


「…あの…?」



首を傾げて先輩を見ると、先輩はふわっと、いつか見た穏やかな表情で微笑んだ。



「……っ」


……まただ…。



…また……


ドキッとした……。




何故か恥ずかしくなって、しずくちゃんへと視線を落とす。

しずくちゃんは微かに動いた私の手にぴくっと反応すると、ぱっと私を見た。

なんとなく、その小さな頭をなでる。




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