恋愛相談は校舎裏で
(それだけはイヤだ…)



あぁ…私、すごい矛盾してる。


自分の都合で先輩の恋を応援したり、批難したり。



私は目をぎゅっと閉じると、先輩の腕を再び掴んだ。


これ以上、近づかないで。


これ以上、苦しくしないで下さい…。



「…っ、先輩、離してくださ…」


「イヤだっつってんだろ!」



耳元で叫ばれた言葉に、体がビクッと震える。

先輩の声には、明らかに“怒り”の感情が含まれてる。


初めて聞いた、先輩の怒鳴り声。



「なんで…?俺、何した……?」



先輩の切ない吐息が耳に直接響く。

後ろから抱きしめられてるせいで顔は見えない。



「…だから、先輩は何も…」


「嘘つかないで。雪乃ちゃんがなんもなしに、こんなこと言い出すなんておかしい」



有無を言わさないような強い口調。


一瞬、すべて話しそうになる。


…ダメ。ダメダメ。

私が言うことは迷惑なんだから。


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