恋愛相談は校舎裏で
ひっかかれたらしい手を抑えながらうずくまる先輩を眺める。



「大丈夫ですか、先輩」


「うん……って、雪乃ちゃん、心配してないでしょ!?」


「そんなことないですよ」


一応心配はしてますよ。
ひっかかれたら痛いしね。


ただ、特に表情を変えることなく言うと、先輩は半泣き状態で私を見た。



「しずくのときみたいにもうちょっと表情変えてみてよ~」


「意識してないんでわからないです」



さらっと答えると、先輩は何故か残念そうに肩を落とした。


「くそぅ……しずくがまさかの強敵だなんて……」



……先輩、何言ってんだ。



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